宗像医師会病院腎センターは宗像地区およびその周辺地域である粕屋、鞍手、遠賀等の医療圏のなかで、唯一の腎臓疾患専門医療機関です。
腎臓病について発病の初期状態から腎不全の末期に至るまで幅広く治療を行っており、九州大学医学部第2内科腎臓研究室との連携のもと、腎臓病専門医5名が常勤している点からも九州地区でもトップクラスのレベルを維持しています。
健診や学校検尿などで血尿や蛋白尿などの異常が見つかった場合、早期発見、早期診断、早期治療の原則から、宗像医師会病院腎センターでは月曜日から金曜日まで毎日腎臓専門医による外来診療を行っており、その異常が病的であるかどうかを確かめ、必要に応じて精密検査を勧めます。
精密検査は入院して頂くことが必要で、腎生検を含めた各種の検査を行います。クリニカルパスにしたがった10~13日間の標準的入院期間が設定されています。腎生検による組織診断の結果に基づき、予後の推定、治療方針の決定を行います。
現在、日本の腎臓病では慢性腎炎や糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症などの病気が主要なものとなっていますが、当院では進行性あるいは活動性の高い腎炎に対してはEBM(根拠に基づいた医療)をお話しし、インフォームド・コンセントにしたがい副腎皮質ステロイドホルモンや免疫抑制薬などによる治療を行っています。
糖尿病性腎症に対しても積極的に腎生検を勧めており、その組織診断を行うことで、病気の進行具合を知ることができ、適切な治療ができるようになると考えています。
血圧コントロール、血糖コントロール、食事療法などが重要なことは糖尿病なら誰でも分かっていますが、実行することは難しいものです。
しかし、自分の腎臓病を腎生検による組織診断で正確に知った後は、これらの治療に対する取り組み方が変わってきます。かなり正確に病気の進行具合が予想され、それが自分の力で変えられるかもしれないということがはげみになります。
慢性進行性である腎臓病は進行すると腎不全となり、透析治療を行わなければならなくなりますが、できるだけ腎臓病の進行を予防するためには、定期的な外来通院治療が必要です。できる限りの用心をしても、腎臓機能が低下することは仕方ないことではありますが、この間の保存期腎不全の時期を専門的な医療スタッフとともに療養するために宗像医師会病院腎センターでは、慢性腎不全専門外来を週1回水曜日に行っています。
慢性腎不全が進行し、検査結果が悪化したり、尿毒症の症状が出現したすると、どうしても透析治療をしないといけなくなります。この場合も、宗像医師会病院腎センターでは、すぐに血液透析治療を行うのではなく、高度の慢性腎不全ではあっても、まだ尿が出ているのであれば、このことを大事にする意味から腹膜透析という方法を提案しています。この治療方法は、透析とは言え、これまでの透析をしてないときの外来通院治療と同様に、原則として毎月1回の通院で済みます。
腹膜透析、別名CAPD(シー・エイ・ピー・ディと呼びます)は、透析治療をはじめて始める方には、それまでと同様に尿が出続けるという点から、宗像医師会病院腎センターでは積極的に取り組んでいます。このことをPDファーストといい、日本全国でも積極的に取り組む数少ない医療施設の一つです。
現在、当院では毎年約10名の方がCAPDを始め、約30名の方がCAPDを継続して行っています。
腹膜透析には治療期間に限りがあり、宗像医師会病院腎センターではこの時期を5~7年と考えています。よって、この期間を経過した後は、血液透析治療へと移行することになります。
宗像医師会病院腎センターでは現在約120~130名の方が血液透析治療を受けられています。
血液透析療法は、週3回の外来通院が必要で、当院では原則として1回5時間の透析治療を行っていますので、通院に費やす労力は大変なものになります。よって、少しでも通院の便を図るため、赤間地区に宗像医師会病院腎センターの附属クリニックとして、外来治療専門の赤間腎クリニックを開設しています。赤間腎クリニックの方が通院するのに便利がよい方には、赤間腎クリニックでの透析治療をお勧めいたします。
宗像医師会病院腎センター、赤間腎クリニックともに同じ治療スタッフで治療を行いますので、どちらで透析治療を受けられても違いはありません。どちらも月水金が朝8時30分からの一部透析、午後2時30分からの二部透析、火木土は朝8時30分からの一部透析のみです。